[tex: ]

番外編

係数環を、加群の圏から復元する

Aを環とします。左A加群の圏をA-Modと記すことにします。U: A-Mod $\to $ Ab を忘却関手とします。このとき、環Aが何であったか忘れても、圏としてのA-Modと関手Uから環Aを思い出すことができます。 ずばり、関手Uから関手Uへの自然変換の集合としてです:$A…

2次形式と可逆分数イデアル

あとまわしにしていましたが、整数係数2変数2次形式と、2次体の整環の可逆分数イデアルの間のすばらしい対応についてまとめて置きたいと思います。 筆者は谷口氏の記事「高次合成則入門」で初めに知りました:http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/bes…

可逆イデアルの特徴付け

$\mathcal O$を1次元Noether整域とします。応用したいのは、$\mathcal O$が数体の整環の場合です。 $K$を$\mathcal O$の商体とします。 定義 $K$の部分$\mathcal O$-加群$\mathfrak a \subset K$が分数イデアルであるとは、$\mathcal O$-加群として有限生成…

多次元 corner から多次元 Szemerédi

これは、前の記事からの続きです。 ふたつの定理の主張を繰り返しておきます。 多次元 corner 定理 n を自然数とし、\( A\subset \mathbb{Z}^n \) を corner-free な部分集合とする。このとき \[ \# (A\cap [ -N,N ]^n) = o(N^n) \quad \text{ as } N\to \in…

Hypergraph removal lemma から多次元版 Szemerédi への議論

この記事は、せきゅーんさんの Green-Tao 定理に関するブログに触発されて書いたものです。 Hypergraph removal lemma から多次元 Szemerédi 定理の導出は、有限加法群版を経由する方法が日本ではポピュラーです。 が、Solymosi の方法をまねて、多次元版 Sz…